いつか解けるまで 0

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2024-02-29 01:00
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 夢を見ていた。
 未来を見据える精悍な顔たちが、庭先で笑っている。
 訓練の声が、高らかに響いている。
 泥のような闇が口を開け、光は呑み込まれ沈んでいく。
 赤い炎が、指先の向こうで揺らめき躍ってすべてを焼き尽くしていく。

 白い空間にうずくまっていた。なぜここにいるのか、分からなくとも這って足を立たせなければいけない。
 砂塵が舞い、頬を打って目を潰す。何も見えない。ぎりぎりと歯を食いしばり懸命に目を開けると、何かが瞳から流れ落ちていく。涙なのか血なのか、それも分からない。
 何をしようとしていたのか、胸に張り付くようにくすぶるこの焼け焦げそうな感覚は、いったいなんだというのか。
 無我夢中で伸ばした手が、つめたい何かに触れる。青色の鎧、羽の意匠、霞む視界のなかにそれを捉える。熱はすでに失われ、ざらりと乾いた赤いものを指が撫でる。

 夢はそして現実となり、永劫に終わることはない。
 この身が潰えるまで、螺旋のように繰り返されていく。






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