夢を見ていた。
未来を見据える精悍な顔たちが、庭先で笑っている。
訓練の声が、高らかに響いている。
泥のような闇が口を開け、光は呑み込まれ沈んでいく。
赤い炎が、指先の向こうで揺らめき躍ってすべてを焼き尽くしていく。
白い空間にうずくまっていた。なぜここにいるのか、分からなくとも這って足を立たせなければいけない。
砂塵が舞い、頬を打って目を潰す。何も見えない。ぎりぎりと歯を食いしばり懸命に目を開けると、何かが瞳から流れ落ちていく。涙なのか血なのか、それも分からない。
何をしようとしていたのか、胸に張り付くようにくすぶるこの焼け焦げそうな感覚は、いったいなんだというのか。
無我夢中で伸ばした手が、つめたい何かに触れる。青色の鎧、羽の意匠、霞む視界のなかにそれを捉える。熱はすでに失われ、ざらりと乾いた赤いものを指が撫でる。
夢はそして現実となり、永劫に終わることはない。
この身が潰えるまで、螺旋のように繰り返されていく。